「湯冷まし」の作り方と使い方|調乳時の温度調整やミルク以外の水分補給に

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初めてパパになるとき、皆様もいろんな育児について調べたと思います。しかし、広く浅く学んでいると、「ド定番の正攻法」しか知り得なかったりします。

例えば、「おむつ替え」について。

おむつの替え時は基本的に「おむつが汚れたら」です。おしっこサインの色が変わっていたら、もうそれは替え時だと言います。

え、まじで? と思います。

新生児のおしっこは1回あたり5~10mlとほんのわずかで、1日の回数は15~20回と高頻度です。じゃあ、1日に20回替えろというのか?正気か? と思います。

「漏れ出てこないうちは大丈夫」などと断言はしませんが、「多少パンパンになってくるまではいいでしょ、最近のおむつは蒸れないしかぶれないし、そのうちどうせうんちするし。」と思う次第です。でも、そんな手の抜き方を誰もわざわざ教えてくれません。

「ミルク作り」も同様です。

「殺菌のために70度以上のお湯で溶かしましょう」とか「人肌程度に冷ましてからあげましょう」とか、超基本的なことは皆さまご存知なはずです。絶対に守らなければならない要素です。

しかし、意外と誰も教えてくれないのが「冷まし方」です。

冷水や氷水に浸けるというのが正攻法かも知れませんが、それが20-40ml程度の新生児期ならまだしも、200ml程度になってくると非常に時間がかかります。お腹を空かせたベイビーが泣き叫ぶ中、ジャージャー、コロコロと冷ましているこの時間、なかなかに精神を削られるんですよね…。

そこで、大多数の人が採用しているにも関わらず、新米パパは意外と知らない「湯冷まし」という手法について解説します。

「湯冷まし」の作り方

「湯冷まし」とは、「一度沸騰させた後に冷ましたお湯」のことです。まずはその「作り方」から。

湯冷ましを作る手順
  • 湯を沸騰させる
    我が家では普通に「電子ケトル」を使用します。

    水道水に含まれる不純物などを除去するために必要な工程です。

  • 容器に入れる
    我が家では「哺乳瓶」を使用しています。

    調乳用にも使うお湯です。ほこり対策として蓋はあった方がいいでしょうし、使用後に哺乳瓶と同等の衛生管理ができるものがいいでしょう。よって、我が家ではシンプルに「哺乳瓶」を使っています。

  • 冷ます
    基本的には「放置」で構いません。

    ある程度冷めてきて、次回ミルクまでまだ時間がある場合は冷蔵庫で保管してもいいかもしれません。

  • 完成
    一度沸騰させて殺菌した後に冷めたお湯(水)=湯冷まし の完成です。

湯冷ましの使い方

「湯冷まし」の使い方を2通りご紹介します。

乳児の水分補給として

離乳食前、生後5~6ヶ月頃までは、水分補給は基本的に母乳かミルクで十分と言われています。

しかし、夏場になると、おしっこ量がいつもより少ない、顔が真っ赤で汗だく、唇が乾燥しているなど、不安になることがあると思います。

そんなときの「初手」として、湯冷ましが最適です。

そもそも湯冷ましの本来の用途は「赤ちゃんに安心して飲ませられる水」です。「寝起き」「外出後」「沐浴後」「食事のとき」「汗をかいたとき」など、心配なタイミングがあればまずは湯冷ましから与えてみましょう。

ミルク調乳時の「温度調整」として

まずは、ミルクの基本的な作り方についておさらいします。

要素①温度(溶かす)

ご存知の通り、粉ミルクを使ってミルクを作る場合、お湯の温度は70℃以上であることが必須です。

これは、粉ミルクの中には雑菌が混入している可能性があり、それらを殺菌するために必要な工程になります。

WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)が共同で2007年に公表した「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」に基づき、日本でも調乳温度を70度以上にすることが推奨されるようになりました。

要素②沸騰

70度以上であれば良い、というわけではありません。一度沸騰させたお湯である必要があります。

これは、水道水に含まれる、残留塩素やトリハロメタンなどの不純物、微生物、病原菌などを除去するためです。

要素③温度(飲む)

赤ちゃんに飲ませる際の適温は、「人肌程度」の温度。つまり「36℃〜37℃くらい」が理想です。

手首の内側や手の甲でミルクの温度をチェックし、体温と同じくらいに感じれば「=適温」です。

冷ましすぎると、赤ちゃんが嫌がって飲まないことがあり、場合によっては胃腸を冷やしてしまい、消化不良を起こす可能性があります。熱すぎると、もちろんシンプルにやけどのリスクがあります。身体に熱がこもりすぎてしまうのもよくありません。

必ず温度チェックをするようにしましょう。

要素:まとめ

つまり、一度沸騰させ70度以上で溶かし人肌程度まで冷ます、という工程がどうしても発生するわけです。そして「沸騰させる」よりも時間のかかるこの「冷ます」という工程において、この「湯冷まし」が大活躍するわけです。

次に、「湯冷まし」を使ったミルクの作り方をご紹介します。

湯冷ましを使ったミルクの作り方

冷めるのに時間がかかる要因は、お湯が熱いからです。かといって、冷めたお湯を使って溶かしてはいけない。それなら、熱いお湯で溶かしたのち、冷水を足せばいい。しかし、冷水も一度沸騰させなければいけない。なら、一度沸騰した後に冷めたお湯を使えばいい。

という、いたって原始的な技になります。

湯冷ましを使ったミルクの作り方
  • 湯冷ましを用意しておく
    まずは予め湯冷ましを作っておきましょう。

    上記で解説しました「湯冷ましの作り方」の通りです。

  • 粉ミルクを溶かす
    70℃以上のお湯で粉ミルクを溶かします。

    通常の湯量の半分のお湯で溶かしてください。200ml作る場合は、200ml分の粉ミルクを100mlのお湯で溶かしましょう。残り半分は後で「湯冷まし」を足します。

    湯冷ましを足した後は粉ミルクが溶けにくくなります。粉ミルクの溶け残りがないかどうか、このタイミングで底の方まで確認しておきましょう。

  • 湯冷ましを足す
    事前に用意していた湯冷ましを足します。

    70度以上のお湯に対し、常温程度の湯冷ましをほぼ同量足すことで、温度は一気に下がります。上述の通り、粉ミルクがよく溶けたことを確認してからにしましょう。

    湯冷まし側の温度により、熱湯と湯冷ましの比率は調整してください。日常的に湯冷ましを使っていると、なんとなくわかってくるようになります。湯冷ましを冷蔵保存していれば、季節変動に影響を受けず、計算しやすくなります。

  • 温度確認
    念のため温度の最終確認をします。

    もしまだ人肌よりは熱かった場合は、通常通り冷水に浸けるなどして冷ましましょう。湯冷ましによりある程度の温度までは下がっているため、1から始めるよりは格段に早く適温まで下げることができます。

一度沸騰させたお湯は、水道水に含まれる塩素を取り除いた状態のため、長期保存には向きません。そのため、湯冷ましを使ってミルクを作った場合、そのターン終了時には湯冷ましを刷新することをおすすめします。と言っても、残った湯冷ましを捨て、今ミルク用に沸騰させたお湯の残りを足しておき、ただ次回に備えるだけです。我が家では湯冷まし用哺乳瓶も中1日ローテで登板してもらっています。その日最後のミルクを終えたら、湯冷まし用哺乳瓶もミルトン消毒液に浸けておきます。そして別の容器(哺乳瓶)に湯冷ましを新たに作り、夜中に備えます。

熱湯と湯冷ましの割合(比率)について

「熱湯:湯冷まし=何:何」がベストか。

明確にお答えしたいところですが、これが割と難しいんです。

湯冷ましを常温で保存している場合、夏場と冬場では「常温」が全く異なるため、季節によって必然的にベストな比率は変わってきます。同じ季節でも昨日と今日で10度違うなんてこともざらにある昨今ですので、「季節別ベスト比率」なんて紹介も難しいものになります。

よって、飽くまで「目安」の紹介とさせていただきます。

  • 基本は 1:1、つまり半々
  • 冬場、あるいは湯冷ましを冷蔵保存している場合など、湯冷ましの温度が低い場合3:2
  • 夏場など、湯冷ましの温度が高い場合2:3

まずはこのあたりから調整を開始することをおすすめします。

まとめ

― 湯冷ましを使ったミルク作り。

特別な道具は必要ありません。哺乳瓶などの湯冷まし用の容器1つと、簡単な事前準備だけでできます。それでいて、「冷ます」という工程を大幅に短縮することができます。これがどれだけ助かることでしょう。

空腹で泣き出した赤ちゃんは泣き続けます。空腹を自覚してしまった以上、この世の終わりクラスの絶望感なのでしょう。「いま作ってるから待っててねー」なんて言っても届きません。何をしても叫びます。「いま冷ましてるから!!!」と怒っても火に油です。

そうです。ママやパパがコレを鎮火する方法はただ一つ。

これ以上の延焼を防ぐため、湯冷ましを活用して一刻も早く適温ミルクを作り、その哺乳瓶を速やかに火元(口)にあてること。です。

夜中は特に急ぎたいですよね。そんな方は是非、「泣き喚く乳児に起こされてから1分で適温ミルクを完成させる方法」もご一読ください。

今回は「湯冷まし」により「冷ます」の工程の時間をご紹介しましたが、「泣き喚く乳児に起こされてから1分で適温ミルクを完成させる方法」では「沸かす」の工程すら短縮する技をご紹介しています。

ご興味があれば、是非。

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